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500Kobe Acceleratorが神戸にもたらすもの

ここから始まる・・・

6週間に及ぶプログラムは12月10日のDEMO DAY@東京で終わりを告げた。

終わりというよりも、バッチメンバーにとってはスタートを切ったということになる。

初めてのスタッフ参加は、講義中のサポート以外に、コンシェルジュ的な仕事がメイン。メンターや参加している各社(=バッチメンバー)が最高のパフォーマンスを出せるよう支えるのが仕事だ。郵便で安い方法は?美味しいレストランは?見ておくべき観光スポットは?〇〇買いたいのだけれど、どこで売ってる?体調が悪いのだけど。。。など、皆さんの本業以外のサポートをするにあたり、仕事スキルとしては難しくないかもしれない雑用を、むしろその部分はスタッフに安心して任せて下さったのはありがたい。学生時代を阪神間で過ごした私にとって、この地を紹介出来るのはとても嬉しく、この地を第二の母国と感じてもらえたらと。また海外から見た目線で神戸を見ることができたのも斬新だった。そしてなによりスタッフ全員のホスピタリティーに脱帽。お茶会を開催したり、手作りお菓子を差し入れたり、気の利いたお菓子を選んだり。。。最後まで伴走し続けた。

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お互いのピッチについてEIRと仲間とシェアしつつ、学び合う

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今までよりも厳しい、投資家目線のコメント。

500KOBE ACCELERATORでは途中2週間のスプリントウィーク(プログラム停止期間)があり、それが終わると、後半の2週では最終日の投資家やメディアを招いて行われるDEMO DAYに向け、ピッチ(プレゼンテーション)の練習も始まり一気に仕上げていく。今までプロダクトやサービスを磨いてきたものを、投資家に伝える。バッチメンバーにとっては、大切な事業内容だ。熱く語りたいことは多々あれど、あっという間に二分間は終了してしまう。目線の配り方、トーン、立ち姿以外にも、厳しい意見がメンターの口から飛び出し毎日繰り返し手直しを入れ、どんどんピッチ内容はブラッシュアップされていく。この繰り返しの中で、バッチメンバーの本気度合いや集中度もぐんぐんと上がっていく。全員が全力で取り組む姿がそこにあり、お互いが刺激し合う。そんな空気が流れている。まるで戦場で一緒に戦う同士のようでもあり、また良きライバルでもある。当たり前なのかもしれないが、400名ほどの投資家を前に、やる気が出ないわけがない。その場に立てる事に誇りを持っているようにも見える。とはいえ、メンタリングを日々繰り返し事業内容の研磨を繰り返してきたこの5週間を経て、おそらく全員、疲れもピークに来ている。それぞれのチームでは乗り越えなければならない問題もある。それでも日々表情は変わり、ポテンシャルが上がっているのも見ているこちらにはよくわかる。

「絶対に投資してもらう!」

その意気込みは、やはり私がシリコンバレーで感じていた空気と同じだった。緊張感はあるものの、互いに孤独な経営者たち。これからスケールしていく為に切磋琢磨しつつ、お互いを称え合う。そうこうしているうちに、最後の日に向けて完璧に近づき、最終日の東京では皆が最高のパフォーマンスを見せてくれた。自信に満ち溢れ、最高のスタートを切っていた。

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本番前に舞台に立って感覚を掴む

本番直前のウォームアップで士気を上げるEIR

ピッチの後は、全員の表情は和らぎ、お互いを称え合い、来年会おう!と。一緒に過ごした6週間で、私たちは家族のようになっていた。シリコンバレーから次々と来るメンターやスタッフも、すぐに家族になれる才能を持つ。人としてとても魅力がある。神戸市の職員の方も、常に心地良い空間を作り出して下さった。そして、この現場運営を統括している奥田浩美さんの存在の大きさ。どう表したら良いのか?ご本人曰くの『未来人』という言葉がしっくりくる存在感。全員誰一人欠けてもいけない。それぞれの関わり方。私もここで素晴らしい時間を過ごさせて頂いた。

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500Kobe Batch 3 Family

さて、前回私はここでの投稿で、「自分がなぜシリコンバレーに居たのか」に触れたのでそこも補足しておきたい。

実は、4年前に私は契約社員として勤めていた会社を辞め、当時高校2年と中学2年の子供を連れ、主人を日本に残し、母子留学をしていた。最終的には娘にお願いされて渡米を決めたのだが、どうせなら私自身もMBAを取得してみたらどうなるのか?と挑戦した。もちろんMBAでは全ての授業にプレゼンが必須だった。特に外国人が多い大学院だったので、同じ国の人とはチームメイトになることはなく、そういった状況下でどう折り合いをつけてチームをマネージするかが最大のポイントになる。ただし、本当に投資を受けるわけではないので、とりわけビジネスピッチとなると熱が違う。今回の500Kobeにおいて、大企業のマネジメントとは違い、バッチメンバーは孤独な起業家である。しかもスケールすることが絶対であるスタートアップのCEOの本気を見て体感した。シリコンバレーでピッチコンテストやEXPOを見てきた時に感じた熱量。一緒の空間にいるだけでその熱量が伝わってきた。

今回メンバーに海外勢がいたことも大きな要因かもしれない。まさに人種のるつぼであるシリコンバレーが500Kobeに再現されていた。シリコンバレーの風は、そこにいる人の『気(=エナジー)』から来るものが、もしかしたら殆どなのかもしれない。シリコンバレーのエコシステムは世界のどこにも作ることは出来ないとシリコンバレーの人々は言う。天候も一要素である事を考えると、確かに同様の世界を創り出すのは不可能かもしれない。ただ、神戸の地でこのようなプログラムが開催され、世界のスタートアップ企業から注目され、人が集まることで、徐々に変わっていき、神戸なりのエコシステムが生まれると私は期待している。そう、ここ神戸から何かが始まる。。。

ちなみに私は今「もしもそのエコシステムを作り出せないのならば、むしろ上手く利用したらいい。」というシリコンバレー在住日本人ファウンダーの元で、現在大学を設立しようと本気で考え、動いているところだ。シリコンバレーの起業家マインドを持つ人が多く集まれば、その場にシリコンバレーの空気が流れると信じている。そしてその空気が日本を必ず元気にしてくれると信じて。